山口県宇部市にある「歯科・矯正歯科アールクリニック」です。
ホワイトニングは歯を白くするための治療で、審美治療の中でも最も希望する方が多い治療です。ただし、どういう仕組みで歯が白くなるのかを知らない方も多いですし、なかには歯の色を変えるという点で安全面に不安を抱くという方もいます。そこで、今回はホワイトニングの仕組みをテーマにし、なぜ歯が白くなるのかを説明します。
変色しているのは象牙質
まず歯の変色についてですが、一言で歯といっても歯には部分ごとに決まった名称と役割があります。例えば歯の表面の部分はエナメル質と呼ばれ、厚さ2ミリほどのこの部分は歯を刺激から守っています。その奥には象牙質があり、ここは歯の大部分を構成する歯の主成分です。他にも歯槽骨や歯髄などがありますが、変色しているのはこれら全てというわけではないのです。変色しているのは象牙質であり、ここが変色することで歯全体が変色しているように見えるのです。ホワイトニングで歯が白くなる理由は、ここで触れた象牙質とエナメル質が関わってきます。
象牙質を白くはできない
変色の元となっている象牙質ですが、残念ながら象牙質を白くすることはできません。これは歯の構造として、象牙質がエナメル質に覆われているからです。エナメル質に覆われているのになぜ象牙質の変色が見えてしまうのか、それはエナメル質が透明だからです。例えるならエナメル質は透明ガラスと同じで、透けてしまうために変色した奥の象牙質が見えてしまうのです。言ってみれば、お風呂場のガラスが全て透明なのと同じようなものです。ガラスの向こうに人がいたとしても、そのガラスが透明なために奥にいる人がハッキリ見えてしまうのです。
エナメル質を構造変化させる
上記のお風呂の例えで言えば、実際には自宅の浴室のガラスは透明ではないですよね。入浴している姿が見えないよう、ガラスはガラスでも曇りガラスが使用されているのが一般的です。実はホワイトニングはこれと全く同じ発想の治療方法を用いています。エナメル質を透明から曇りガラス状態に構造変化させ、変色した象牙質を見えなくさせているのです。これがホワイトニングの仕組みです。では、実際にどんな薬剤をどんな流れで使用するのか、具体的なホワイトニングの治療方法を以下で説明していきます。
ホワイトニングの治療の流れ
歯科医院で行うオフィスホワイトニングを例にすると、まずは口の中の状態をチェックします。ホワイトニングを行うには口の中が健康であることが前提になるため、虫歯や歯周病などが見つかった場合はその治療を優先することになります。問題なければ準備した後にホワイトニング剤を塗っていきますが、これによってエナメル質の構造が変化し、変色した象牙質をマスキングして隠します。つまり歯を白くするというよりは、歯を白く見せるというのがホワイトニングの仕組みです。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングにはいくつかの種類があります。歯科医院で行うのはオフィスホワイトニングですが、マウスピースを使って自宅で行うホームホワイトニング、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングをあわせたデュアルホワイトニングがあります。どの方法においても仕組みは同じであり、エナメル質の構造変化によって歯を白く見せているのです。ただし、市販のホワイトニング歯磨き粉は全くの別物です。市販のものはホワイトニングというよりはクリーニングであり、使用されている薬剤も全く異なりますし、落とせるのはあくまで歯の表面の簡単な着色のみになります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングで歯が白くなる理由についてまとめます。
- 変色しているのは象牙質:歯全体ではなく、正確には表面のエナメル質の奥にある象牙質が変色している。
- 象牙質を白くはできない:象牙質を白くすることはできない。ホワイトニングはエナメル質を利用する。
- エナメル質を構造変化させる:エナメル質を曇りガラス状にしてマスキングの役割をさせ、白く見せている。
- ホワイトニング治療の流れ:虫歯などがあった場合は治療が優先。治療後にホワイトニングを行う。
- ホワイトニングの種類:歯科医院だけでなく、自宅で行えるホームホワイトニングなどがある。
これら5つのことから、ホワイトニングで歯が白くなる理由が分かります。歯を白くすると言うよりは、歯を白く見せていると言うのがホワイトニングの仕組みです。イメージで言うと、浴室のガラスがホワイトニングと同じ仕組みです。透明ガラスでは浴室が見えてしまうため、曇りガラス状にして浴室の中を見えなくさせているように、変色した象牙質が見えないよう、表面のエナメル質を構造変化させてマスキングしているのです。また、ここで説明したように市販のホワイトニング歯磨き粉はこれと全く異なるので要注意です。ホワイトニングについてご興味がある方は、お気軽にご相談ください。